幼稚園は仕方ないにしても、小学校の6年間でも裸になり続けたのだから相当なものである。小学校も高学年になると、さすがに裸になることについて教師が本気で制止するようになったが、それでも教師の目の届かないところで新はたびたび裸になった。
自分がなぜこうも裸になりたがるのか、新はよく解らなかった。しかしもう昔から裸になりすぎていたので、服を着ているほうが不自然な気がするのだった。
そんな新がこの春から、なぜか女子校に入学することになった。名前が中性的であるのに加え、二次性徴前の新の顔立ちは、まるで美少女のようにかわいらしかった。おかげでそんなミスが起きた。
幸いなことに入学してから2ヶ月、学校側にはまだ男であるということはバレていない。バレたときの騒動を思えば、このまま隠し通したいと新は願っていた。女の子のふりをしておとなしく生活していれば、それも決して不可能ではあるまい。
しかしひとつ問題があった。
すぐに裸になりたがるという悪い癖だ。
小学校の頃からの慣習で教師の前でなることはなかったものの、生徒しかいない場面ではたびたび裸になった。そのため新が男の子であるということは、生徒たちの間では早くも公然の事実となっていた(そもそも小学校が同じ子もいたのでバレないはずがなかった)。
これはそんな中埜新が、中高一貫の全寮制女子校、私立宇佐木学園で過ごした日々の物語。